小説を何作か書いている内に、「大正時代を書いてみたい!」と思い、
透明の匣(雨降子) - カクヨム (kakuyomu.jp)
をはじめとして、そこからずっと大正時代の話を書いています。
この「透明の匣」を賞に応募したところ、第二次選考を通過したという嬉しい結果だったもので、「次も大正時代書いちゃお~」と調子に乗りました。
縁起がいいな、と思ったのが一つ。
で、次もやっぱり書きたいんだけど。
そこからすぐに脳内で何が動くわけでもなく…。
相変わらず壁っている。
何か閃かないかと、大正時代関連の本を読んでいます。
大正時代って、なんだか魅力的じゃないですか?
でも時代背景とかややこしいよね💦
私も結構調べたつもりだけど、まだまだわかっていません。理解できる自信がありません。
だから難しいことが書かれてある本は買っていません!いばることじゃないけど!
なので、ここでは、難しいことが理解できないアホな雨ふり子でも読みやすかった、大正時代の暮らしや文化が書かれてある本をピックアップしてご紹介していきます!
この記事の目次
なぜ大正時代に魅力を感じるのか
大正時代は、1912年~1925年まで、15年という短い期間でした。
明治と昭和の間に挟まれた(?)わずかな時代なのに、大正時代を背景としたたくさんの面白い小説やマンガなどが、今も世に出ています。
この15年の期間で、さまざまなことが起こっていますよね。
鉄道や道路網が発達し、交通手段が発展したことで都市化が進み、電話や印刷、活動写真などといった技術が大きく発展します。
また、1910年代から1920年代に起こった大正デモクラシーなど、民主主義的な運動や言論も活発になりました。
ですが、大正の終わりになるにつれて第一次大戦後の株価暴落などの不景気や、関東大震災など、世の中は暗くなっていきます。
短い期間で明と暗の落差があることが、大正時代の不思議な魅力になっているんじゃないかと思います。
「大正ロマン」という響きって、とにかくいいよね
大正時代の雰囲気を感じさせる思潮や文化事象を表した「大正ロマン」。
明治時代の文明開化では西洋文化を多いに取り入れていたのが、大正時代では和洋折衷の文化が花開きます。
代表的なところで挙げると、谷崎潤一郎や志賀直哉、芥川龍之介などの作家、竹久夢二や高畠華宵などの美人画、演歌やオペラ、外国曲、軍歌や学生歌など、幅広い大衆歌など。
西洋の新しさは取り入れつつ、少し退廃的・暗めの雰囲気や空気感をまとっている文化が、とても魅力的に映るという人も多いんじゃないでしょうか。
大正時代の暮らし・文化がわかりやすいおすすめの本【7選】
明治・大正日本人の意外な常識
今から約100年前の日本、明治・大正時代にあった意外な常識があります。
帯にも載っているけど、ウサギ飼育に税金がかけられたり、電灯の光に驚いたり、雨が降ると傘を仕舞い込んでしまったり(笑)
庶民たちの常識、価値観は現代から見るととても新鮮で、可愛らしいです。親近感がわきます。
今の日本人が忘れてしまった美徳や誇りには、はっとさせられます。
こういった庶民の生活を小説に活用させたいんだけど💦
ちゃんと読みこんだら何かネタにできる、はず!
大正時代の身の上相談
大正3年から11年に発行された読売新聞から抜粋された「身の上相談」です。
「身の上相談」 → 「記者のお答え」 → 「筆者の感想」
といった流れでひたすら掲載されてるんだけど、
まず「身の上相談」内容が可笑しい。当人は真剣に悩んでいるのだから笑っちゃ失礼なんだけど、この時代はこんなことで真剣に悩んじゃうのね…という感じ。
あー今も昔も悩みは変わらないんだなーという内容ももちろんあります。わかるわかる~(((uдu*)ゥンゥンと、勝手に共感して楽しむこともできます。
さらに「記者の真面目なお答え」。結構鋭い。中にはふざけてんのかという内容の悩みに対して叱責もします。真剣に考えてくれて投書した本人も、さぞかし喜んだことでしょう。
なんか私だと悩んでいる友人にたいして「そこまで悩まなくても…」と思いがちなのですが、「あ、こういう助言の仕方もあるんだな」と、今の実生活にも役立てられそうな感じです。
最後に「筆者の感想」も鋭い。これは平成人である筆者の感覚なので、感想というかツッコミ? ですね。お悩みに対しても記者のお答えにたいしても、突っ込んだりしていて笑えます。
同感です!
この面白3段階を面白おかしく一度読んで、おしまいになっていたのですが、いや絶対何かのネタに使えるだろうと引っ張り出してきました。再読するぞ!
モダンガール論
明治末期から百年ほど(バブル崩壊時期くらい)までの「モダンガール」について書かれています。
その時代ごとで女性の社会的位置付けというのは変わっていきますが、ちょっと毒舌が混ざっていて、ユーモアがあってとてもわかりやすい。
女子の教育について、労働について、職業、雑誌、主婦についてなど、テーマも豊富。
私の祖母やその母、そしてそのまた母と、どういった生活をしてどういったことを考えながら生きていたのかな?と、ふと思いをめぐらせた一冊でした。
明治・大正・昭和 華族事件録
これは大正時代の話が書きたい、と思って本屋に行った時に一番最初に目についた本。
もし、「明治・大正・昭和時代でなにか参考になりそうな事件ないかな?」と、探している人は絶対おすすめ!
私も結構参考にさせてもらっているのでもうボロボロ💦
華族の犯罪(殺人・詐欺)や不倫や情死やお家騒動、思想・結婚問題など、盛りだくさん。
華やかだと思っていた華族の実情が載っていて、切なくなります…(;´Д`)
一生懸命生きている人もたくさんいるので感動もするよ!
でも華族のシステムって複雑なので何度読んでもまだわかってないので、また読み返して勉強しなければ~~💦
華族たちの近代
まず、「華族」についての基礎知識が載っています。
そのため、話を考えているときに、「え、華族ってそもそもなんだっけ?」という疑問がすぐ解決します。あと、読み進めているときにも。すぐに戻って確認できるからね★
「華族の条件」という章もあって、本当に勉強になりました!
結婚についてや、軍隊について、事件もあります。
読み応えありますよ~♪
文庫版かな? ↓
これも気になります ↓
日本の華族 その栄光と挫折の一部始終
こちらは華族だった人々の人生やお家のスキャンダルなどがまとめられています。
いろんな作家さんによるもので、一項目が10ページ程度ずつ。
冒頭の「華族の謎20」の章は、『明治・大正・昭和 華族事件簿』の千田稔氏!
写真も1ページまるまる使われているので見やすいですよ★
日本の名家100家
華族制度によって爵位を受けた家から100家を、各都道府県別に紹介しています。
その家系の発祥から歴史への登場、現代にいたるまでが書かれていて、とっても楽しい!
歴史って現代まで繋がっているのね…としみじみ思いました(当たり前か💦)
北海道から沖縄まで、都道府県で分けて紹介って、場所がイメージできてわかりやすいですよね。
そして内容も面白い!
情景を思い浮かべながら読むことができます。
2バージョンもあった! ↓
大正時代は話をつくる上で「怪奇」「幻想」の要素を取り入れやすい最後の時代
独特の雰囲気をまとう大正時代。
- ほどほどに便利だけれど、現代と比べるとやっぱり不便。
- 不自由に思えるけれど、ある意味現代より自由でもある。
- 現代より「怪奇現象」「幻想的」というワードが似合う
- 美しい世界観がつくり出せる
などといったポイントがあることから、私が大正時代という時代の中で、話をつくることを選んだ理由です。
現代だと「怪奇」「幻想」を取り入れようとすると、どうしても嘘っぽくなってしまう気がして。
世界観をつくるという意味では、「大正」という時代に助けてもらっているのかもしれません。
ほんの100年前とはいえ、結構謎な部分もあって、そこが惹かれる要素の一つでもあるかも。特に華族については。
大正時代の小説を書いてみたいけれど、難しい本はちょっと…という人は、以上の本を参考にしてみてくださいね。
こちらもよろしく読んでください♪ ↓